信頼は揺らいでいない。2020年の開幕マウンドも、菅野智之に託された。
11月28日、球界歴代最高の年俸6億5000万円を維持した契約更改後の会見で、エースは早くも“大役”に指名されたことを明かした。今季終了後に
宮本和知投手総合コーチから伝えられたといい、「言われなくても、毎年そこを目標にやっている」とすでにその目は3月20日の
DeNA戦(東京ドーム)を見据えていた。
今季は腰痛に苦しみ、ペナントレース中は3度チームを離脱。11勝8敗、キャリアワーストの防御率3.89、プロ7年目で初めて規定投球回数に届かず、「開幕への持っていき方がうまくいかなかった。振り返りたくないシーズン」と悔やんだ。
それでも菅野に代わって先発ローテーションを引っ張った
山口俊が、ポスティングでのメジャー挑戦を表明(申請中)。移籍の可能性は高く、開幕投手は菅野をおいてほかにはいない。「12月の自主トレの時点で開幕を意識しながらやっていく必要がある。もう一度、20勝に挑戦したい。(山口)俊さんがいなくなる分、勝たないといけない」と教訓を糧に、逆襲を誓った。
「日本一というのは、僕は人生で1回も経験したことがないので、何とか達成したい」と菅野。開幕投手が実現すれば3年連続6度目。勝利すれば開幕戦4勝目で、
別所毅彦、
斎藤雅樹の球団記録に並ぶ。王者として臨むジャイアンツの来季は、菅野の“復活”で幕をあける。
写真=BBM