新たな年に向けて明確な目標を定めたのは秋山拓己だ。

「来年はもう1度2ケタ勝利をして、チームに貢献したい」

　17年に自己最多12勝（6敗）をマークしてからは、エース候補と言われながら尻すぼみになっている。今シーズンも一軍に定着できないままだった。

「今年は手術明けということで、なかなかうまくいかなかった」と体調も万全ではなかったことを明かした。

　18年シーズンは5勝止まりで右ヒザのクリーニング手術に踏み切った。その影響もあってか、今季は10試合に登板し4勝3敗、防御率4.26に終わった。

　プロ入りしたときから周囲からは「投手らしい投手」として期待も大きかった。今季もウエスタンでは最多勝利投手賞（10勝）に輝くなど非凡なものを披露した。

　抜群の制球力でコーナーに投げ分けるピッチングが持ち味。一つのきっかけで17年のように大活躍する可能性を秘めているのは誰もが認めるところだ。

　今秋キャンプでは動画を利用して投球フォームのチェックに比重を置いた。「コントロールは自分の生命線」といって磨きをかけてきた。「自分本来のパフォーマンスが出せれば勝負に勝てると思っています。だいぶ良くなっている感じはするんです」。

　高卒11年目の来季、「まずは開幕一軍に。来年しっかりと投げているイメージができています」と存分に能力を発揮するつもりだ。