飛躍の2年目とする。吉田輝星の1年目は手応えと課題が明確に分かったシーズンだった。「自分の真っすぐは、ある程度通用したのかなと思います」。
6月12日の
広島戦(札幌ドーム)で一軍デビュー。5回4安打1失点でプロ初勝利を挙げたが、内容も濃かった。投じた84球のうち直球は67球で約80パーセントを占めた。4三振はすべて空振りで奪い、真っすぐの最速は147キロ。押して、押して、押しまくるスタイルは衝撃とスター性を感じさせた。一方で、初勝利以降は3連敗。プロの壁にはね返された。「全力を出しても打たれるときがあった。厳しさを思い知らされました」。
直球の力強さはあるが、安定感がなかった。精度が落ちれば、一軍のバッターには捉えられるケースが多かった。さらに変化球の精度も発展途上の段階。粗削り感は否めなかったが、伸びしろも無限大に感じさせる1年だった。
フェ
ニックスリーグや米アリゾナでの秋季キャンプでは、フォークの完全習得に取り組んだ。もちろん直球の精度も追い求めつつ、ウイニングショットを手に入れようと本格着手。その中で投球フォームを固めるという作業を2月の春季キャンプまでに、どこまで進められるかが、2年目のスタートダッシュ成否のカギを握る。
まず目標となるのはチャンスをつかみ、先発ローテーションの一角に食い込むことだろう。「2020年はもっと納得できるシーズンにしたいと思います」。背番号18のさらなる輝きをファンが待っている。
写真=BBM