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西武・松本航 「自分の力で勝てる試合」を増やすためへの取り組み/2年目の進化

 

2年目の今季は最低でも2ケタ勝利を狙いたい


 昨季は16試合に先発登板して7勝4敗と、数字だけを見ると、ルーキー年としては上々だったと言ってもいいだろう。だが、防御率4.54が示すとおり、その内容は自他ともに決して納得のいくものではなかった。松本航自身、「7勝は、野手の方に本当にすごく助けていただいたからで、自分でつかみ取った感じではなかった」と、打撃陣にただただ感謝の一心だった。

「もっと自分の力で勝てるように」とレベルアップを誓う2年目、己の中で課題は明確だ。昨季1年間、プロの世界を経験した中で、最も痛感したのが「イニング数を稼げない」だった。「8、9回までいけるように」と先発投手としての理想を胸に秘めている中、9月13日のロッテ戦(メットライフ)での7回が最多イニング。特に前半は5回でマウンドを下りることも多く、猛省ばかりが口をつく。原因は「球数の多さ」だと自覚するとおり、6イニングを終えた時点で100球を超えていた試合が10試合にものぼった。

 解決策として今オフ取り組む考えなのが、変化球のブラッシュアップだ。「簡単にカウントを取れる変化球がほぼなかった。特に困ったのが追い込んでからで、三振を取りたくてもボールになって、結局フルカウントまで持っていくというパターンがたくさんあった」。捕手・森友哉からもシーズン終了後、「変化球でカウントを取りたい。2種類ぐらいは欲しい」との助言を受けており、自慢の糸を引くような直球をより一層生かすためにも、「三振が取れる、キレのある変化球の習得」が今季の最大テーマとなる。

 チーム防御率がリーグワーストだった西武。投手陣再建が至上命題となる中、辻発彦監督も「去年経験した若い投手が、技術的にも精神的にもどのように成長してくれるか」と大きな期待を寄せる。松本の進化なくして、リーグ3連覇は厳しいと言っても過言ではない。もはや、それほどまでに必要不可欠な存在なのだ。

文=上岡真里江 写真=BBM
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