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中日・根尾昂 一軍を見据えて/2年目の進化

 

一軍での試合前練習を行う根尾昂京田陽太が後ろで見守っている


 入団前に掲げた目標は、あくまで「体づくり」だった。根尾昂のプロ1年目は、その宣言どおりのシーズンとなった。ウエスタン・リーグでは108試合に出場。ほぼ全試合で遊撃を守ったが、24失策。打率も.210。127三振で、ウエスタン・リーグの三振王となった。プロ1年目は攻守で課題が見え、2020年はそれらを克服するシーズンとなる。

 地元の岐阜県出身で、大阪桐蔭高では甲子園春夏連覇。ドラフト1位での入団し、「開幕スタメンの可能性も」と騒がれた。周囲の過度な期待に応えられたわけではない。一軍で2打席を経験したが、2三振で終わっている。それでも、成長曲線は上向きであることは間違いない。月別打率は3月.148、4月.133、5月.131、6月.218、7月.263、8月.167、9月.355。徐々にプロのスピードに慣れ、心身ともに着実に成長。確実性を増している。

 1年目を経て、新たな試みも。プレーの幅を広げるため、内野だけでなく外野守備にも挑戦する。2004年にゴールデン・グラブ賞に輝いた名手である英智コーチから、直接指導を受けた。台湾で行われたアジア・ウインターリーグ・ベースボールでは、外野手として出場した試合もあった。そのウインター・リーグでは、打撃でも1年間の成長を見せるように、力を発揮。打率.259で、4本の二塁打を放っている。

 4球団競合のドラフト1位とはいえ、高卒の野手だ。即戦力の評価ではない。ドラフト1位であったのは、その高い身体能力、潜在能力が評価されたからだ。根尾のプロ1年目を振り返れば分かるように、その成長速度には目を見張るものがある。根尾は「まずはオフシーズン」と、来季について明言はしないが、さらなる進化が期待できる2年目、より大きな目標を達成するはずだ。

写真=BBM
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