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ロッテ・益田直也 指揮官を胴上げするために/リーダーの決意

 

益田はロッテで胴上げ投手になることを誓う


 昨年の11月20日。木更津市内のホテルで行われた球団納会の夜の出来事だった。この日、選手会長を務めていた鈴木大地が、楽天へ国内FA移籍することを表明した。

 降って湧いたのは、次期会長は誰がやるのかという問題だ。簡単に結論は出なかったが、最終的に引き受けたのは鈴木と同じく国内FA宣言を検討しながらも、宣言せずに残留した益田直也だった。 

「今までにキャプテン経験もありませんが、残留したのも、このチームで優勝したいから。やるからには全身全霊、頑張ります」

 抑えを任された2019年、60試合4勝5敗27セーブ、防御率2.15と責務を果たした。FA宣言すれば獲得に乗り出す球団はあったかもしれない。しかし、新たに3年契約を結び、ロッテで生きていくことを決めた。目標があるからだ。「井口(井口資仁)監督を胴上げしたい」。理由は6年前までさかのぼる。

 2013年7月26日の楽天戦(Kスタ宮城)。井口監督が田中将大(現ヤンキース)から本塁打を放ち、日米通算2000安打を達成した。だが、2対1の9回に益田はサヨナラ打を浴びる。記念のウイニングボールを届けられなかった。「あの試合があるから、井口さんのためにと頑張れます」。チームリーダーを引き受けた一つの理由にもなった。

 18年の守護神である内、新外国人のジャクソンら今季の抑え候補は乱立状態。ただ、プロ8年間で472試合を投げた鉄腕は「この(3年契約の)3年間がプロ野球生活のピークに持って行ける」と、リーダーらしく胸を張った。

写真=BBM
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