今季、日本球界最年長投手となる
5月で42歳。言わずと知れた球界最年長投手が、
中日・
山井大介である。当然、このくらいの年齢になると、毎年を引退覚悟で臨まなければならない。山井も「引退」の2文字は意識するが、まだまだやれるという手応えも感じている。
今オフは、意識的にノースローの日を減らすようにしている。「体が悲鳴を上げるまでやりたい」。昨年末も震えるような寒さの中、ナゴヤ球場屋内練習場で投げていた。「肩は回っている。いい状態。形としては全然ですけど」と笑ったが、その表情には充実感がにじみ出ていた。
今年は東京五輪開催のため、開幕が1週間前倒しされる。昨季3勝に終わったベテランは、調整を任される立場でも、早めの仕上げを心掛ける。「(キャンプの)ゲームも早くなると言われている。シート(打撃登板)や打撃投手も任せると言われているけど、最初からいくつもりでいます」と言葉に力を込める。
チーム内競争は激しい。
梅津晃大、
山本拓実、
清水達也など、若手が昨シーズン台頭してきた。フレッシュで勢いがある。「スピードでは勝てないかもしれないけど、経験、投球術、球のキレで勝負して勝っていきたい」。円熟味を増す投球に活路を見いだしている。
「ピッチャーでは年上がいないだけで、若い人には負けないぞという気持ちでやりたい」。目指す理想は中6日で、完投することだ。ベテラン扱いは無用。キャンプからアピールして、先発ローテに名を連ねるつもりだ。
写真=BBM