入団時の課題だった打撃面でも力をつけた重信慎之介は、今季こそレギュラー獲りへ本気だ。
「優勝という経験もできたのは大きかったですし、その中で1年間通して足りない部分も見えました。今年はレギュラーとして力になって戦っていきたい」
4年目の昨季は
丸佳浩の加入などでスタメン出場の機会は限られたが、キャリアハイの106試合に出場し、打率.266、2本塁打、16打点、14盗塁。7月23日の
ヤクルト戦(京セラドーム)では5対5の9回無死一、二塁で代打起用され、左越えへ大飛球を運ぶ人生初のサヨナラ打。「打席に入る前に
原辰徳監督からヒッティングで行くと言われて覚悟を決めました」と、武器の走力だけでなく打撃でも存在感を示した。
2015年ドラフト2位で入団し、今季が5年目。「毎年のようにチャンスをいただいていますけど、それをつかみ切れないでここまで来ている」と危機感も抱く。外野の定位置争いは丸や
亀井善行、
陽岱鋼ら実績組に加え、新助っ人のG.
パーラ(前ナショナルズ)が加入。同学年の
石川慎吾、外野も守れる
若林晃弘らも混在する激戦区だ。
チームは昨季、「一番・二塁」で開幕スタメンの座をつかんだ
吉川尚輝が、開幕直後に故障で離脱。その後は37歳だった亀井が一番に座るなど、本来求めた形ではなかった。快足を武器とする重信なら、
坂本勇人、丸、
岡本和真らポイントゲッターにつなぐリードオフマンに適任だろう。チーム待望の斬り込み隊長になれるか。今季こそ名乗りを上げる。
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