日本通算288発の大砲が、4年連続日本一を狙う最強軍団をさらに超強力にする。昨季まで
ヤクルトに9年間在籍し、新加入したW.バレンティンだ。初日から参加している春季キャンプでは第2クール中に行った初のランチ特打で、112スイングでバックスクリーン直撃弾や場外弾も含む20本のサク越え。力強いガッツポーズも見せた“新助っ人”は「日々体の状態も打撃の感覚も良くなっているよ」と、新天地で迎える来日10年目のシーズンへ準備が順調に進んでいることに笑みを見せる。
2013年に日本記録のシーズン60発を放っている大砲の加入は、打線のパワーアップだけでなく布陣の幅を広げる。昨季中に国内FA権を取得し、今季からは日本人選手扱い。チームには多くの外国人が在籍するが起用の選択肢が狭まらないことが強みだ。ヤクルトでは主に左翼で出場。当然、首脳陣も主に左翼で守備に就くことを期待しており、日本人扱いのバレンティンが左翼に入れば、併用するA.
デスパイネはこれまで通りDHでの起用が可能となる。
オフには三笠杉彦GMが「20年は五輪がある。われわれの試合以外のところでコンディションを左右するファクターがある年」と話した。東京五輪本番だけでなく、開幕直後に予選出場のため3人のキューバ勢が離脱することなども想定し、フロントも全力を尽くした。シーズンを通して高い戦力を保持することを可能にするバレンティンの存在が、4年連続日本一を現実のものとする。
写真=湯浅芳昭