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楽天・則本昂大 新たな魔球を武器に/春の一番星を探して

 

今季こそは万全の状態で


 一瞬、浮いた球が大きな弧を描いてストンと落ちた。受けたブルペン捕手が「ナイスボール」の声とともにボールを返すと、則本昂大は満足そうにうなずいた。

 久米島キャンプ初日の2月1日。ブルペン入りしたエースは、捕手を座らせ25球を投げ込んだ。そのうち5球が、新球ナックルカーブ。その握りは同僚の菅原に聞き、今オフから習得を目指している。「大きな変化が欲しいと思った」と習得を決断した理由を明かした。

 2月16日には、阪神との練習試合に先発。今季自身初となった実戦では、わずか10球で打者3人をピシャリと抑えた。10球のうち、なんと6球がナックルカーブ。「実戦でなければ分からないこともある。それが確認できて良かった」と充実感を漂わせた。

 これまでのカーブの球速は110キロ台で、回転数は毎分2000回転ほど。ナックルカーブの球速は120キロ台。その回転数は久米島キャンプ第2クール初日の時点で、毎分2800回転まで上がった。「まだ浮いたボールがある」と自ら課題があることは認めたが、初の実戦で試投し手応えはつかんだ。

 昨季は右ヒジのクリーニング手術を受けた影響で5勝に終わったが、今季はエースとして大車輪の活躍が期待される。自身の夢である東京五輪も控えている。「(日本代表に)選ばれたらうれしいし光栄だけど、まだ明確ではない。やれることをやって、一日一日成長できたら」と言葉に力を込めた。新球を武器に、チームでも侍でも大黒柱として躍動してみせる。

写真=BBM
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