昨季は内野の4人全員が規定打席に到達し、うち3人がリーグの打撃10傑に名を連ねた。リーグ屈指の遊撃手に成長した
京田陽太を含め、レギュラーが固まっている
中日の内野陣。そこに食い込むべく、光を放っているのが溝脇隼人だ。高卒8年目の25歳。沖縄・北谷での一軍キャンプでは、主に同い年の京田と同じ組で汗を流した。
2月8日の
阪神との練習試合(北谷)では2点を追う7回に右越えの同点2ラン。11日のシート打撃でも
梅津晃大に2ランを浴びせた。15日の
ロッテとの練習試合(同)でも3回に先制の2点三塁打を放ち、存在感を示した。
「いい形で体を相手投手に入れられている。打つほうはちょっと自信があります」。8日の試合中にひらめいた感覚がフィット。快音を連発する姿に
与田剛監督も「パンチ力もついてきたし、タイミングを合わせるのが、非常に良くなってきている。勝負強さも出てきたので楽しみ」と期待を寄せる。
これまではケガに泣いてきた。4月にプロ初本塁打を放った2017年は直後に靱帯を痛め、右足首を手術。残りのシーズンを棒に振った。昨季も5月19日の
巨人戦(ナゴヤドーム)でプロ初の猛打賞を記録したが、直後に右手有鉤骨を骨折。レギュラー不在だった二塁には阿部が台頭した。
立場は理解している。「僕たちはサブから入って結果を残していくことが大事。どこでも守れることは自分のアピールポイント」。控えに甘んじるつもりはない。競争がチーム力を高める。
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