今季、三菱日立パワーシステムズからドラフト2位で西武に入団した浜屋
「柔らかく投げている」
1月、新人合同自主トレに初めて視察に訪れた
辻発彦監督の目に留まったのがドラフト2位左腕・
浜屋将太だった。その好印象はA班キャンプでのブルペン投球を見るごとに色濃いものとなり、実戦に入ると「まとまっていて、コントロールも良い。面白いピッチャーだと思う」と確信に近いものとなった。
樟南高3年時にプロ志望届を提出したが、ドラフトで名前は呼ばれなかった。「体も技術も足りない。社会人野球で今の自分に足りないものを補って必ず3年後、ドラフト上位で指名されてプロに行く」。自らの胸に強く誓い、三菱日立パワーシステムズに入社。3年後の2019年秋のドラフトで、決意どおり2位指名を受けた。
同年代だけではなく、元プロ経験者など、経験値も年齢も多種多様な社会人野球の中で揉まれ、「ゾーンで勝負できる」力を身につけた。また、自慢の打者の手元で曲がるスライダーも社会人では簡単に対応されたことから、改良を重ねてきた賜物。高い目標と意識が、3年間でしっかりとプロ入りの準備を整えさせてくれた。
2月23日、
ロッテとの練習試合(春野)では1回を2奪三振、無失点の好投。3月1日、
DeNA戦(長崎)では2回を5安打1失点だったが、「球自体は悪くなかった」と感触はつかんでいた。その後も7日の
広島戦(マツダ広島)は3回を6奪三振、1失点、13日の
ヤクルト戦(メットライフ)は1回を無失点。着々と一軍入りへの猛アピールを続けている。
「即戦力」の自覚は非常に強い。「開幕から一軍に入って1年間ずっと上で投げ続けたい」。自らの力で開幕当確ランプを灯してみせる。
写真=BBM