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中日・平田良介 その日のために/2020開幕への思い

 

準備を進めるのみ


 プロ野球の開幕延期が決まった翌日の3月10日。京セラドーム大阪で行われたオリックスとのオープン戦で、平田良介が久々に快音を響かせた。今季初めて二番に入り、6回一死一塁の場面で左翼線二塁打を放った。与田監督も「いいきっかけにしてほしい」と喜んだ一打。ただ、平田自身の胸中は複雑だった。

「その日(開幕)に合わせて体を作っているので……。いつ開幕か気になります」。ぽつりと漏らした言葉が本音だった。オフシーズンから3月20日を見据え、一歩一歩進んできた。それはキャンプ、オープン戦に入っても同じ。実戦では結果が思うように出なかったが、「開幕にマックスであればいいと思います」と言う。

 昨シーズンは2度の故障に泣いた。一昨年の2018年は打率.329の高打率をマーク。一番打者として新境地を開いたかに思えた。大きな期待を集めた昨年だっただけに、忸怩たる思いは平田自身が強く感じていた。

 今季は全試合出場とタイトル獲りを目標に掲げる。ただ、チームにとっては、打撃だけでなく、球界トップクラスの守備力、磨き抜かれた走塁技術も欠かすことはできない。平田はトータル的なことを踏まえ、「チームを引っ張っていって、最後にビールかけがしたい」と意気込む。

 バットを少し重くし、打撃フォームもやや腰を落としていたのをやめた。さらには目のトレーニングも取り入れた。必ず来るであろう開幕が待ち遠しい。そのときに向け、体制を整えてくだけだ。

写真=BBM
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