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日本ハム・杉谷拳士内野手 チームに明るい光を灯す元気印/わがチームのムードメーカー

 

今シーズンもグラウンド内外でチームに欠かせない存在の杉谷


 無観客試合でも杉谷拳士は本番さながらの祝福を受けた。2月29日のオリックスとのオープン戦(札幌ドーム)。2点を追う9回二死満塁の場面で、右中間を破るサヨナラ2点適時二塁打を放った。ベンチは盛り上がったが、ヒーローを大々的に出迎えることはない。日本ハム独特の、いや杉谷だけの限定儀式「サイレント・サイレント」だった。

 メジャー・リーグで初本塁打などを打った際、あえて同僚がよそよそしい態度を取る「サイレント・トリートメント」の進化版。杉谷の場合は後から祝福されるわけでもなく、何事もなく終わっていくため、自ら「サイレント・サイレント」と名付けた。そんな扱いも「おいしい」と捉える底抜けに明るい性格だからこそ、先輩後輩関係なく、皆から愛される。

 栗山英樹監督ですらイジることがある。故障から杉谷が一軍復帰した日に、杉谷のことを問われると「拳士、いた?」とおどける。杉谷も負けじと試合前には報道陣に囲まれている栗山監督に「今日は絶好調です!」とアピールする。そんな姿に指揮官は「ああいう選手は必要なんだよ」と最大限の賛辞を贈る。

 プロ12年目を迎えるが、キャンプ中も若手に交じって肉体を追い込んだ。守備は内外野どこでも守れ、代打、代走、守備固め、もちろんスタメンでも力を発揮できる万能プレーヤー。いるだけで、どこか安心感をもたらす希代のキャラクターは、チームに欠かすことができない存在だ。

写真=BBM
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