岡本和真の魅力は豪快な打撃だけではない。四番に定着して3年目となる今季は風格すら漂うが、普段は先輩選手たちにイジられる人気者だ。1年目に初めて一軍に合流した際の自己紹介で「奈良から来ました、ジョニー・デップです」とあいさつしたように、クスっと笑わせる。
昨季、
原辰徳監督命名の「ビッグベイビー」のニックネームが定着したが、今春キャンプでは指揮官自身の愛称「若大将」を授けられ、「これからはそれで売っていきます」とニヤリ。指揮官は「ジャイアンツの四番は、だいたい叩かれるんですが、彼はあんまり叩かれない。素晴らしい良さ、可愛いところがある」と憎めない人柄を絶賛する。
一昨年のファンフェスタではトークショー「岡本和真を愛しすぎる男たち」が開催されたほど。
阿部慎之助現二軍監督や仲の良い
吉川大幾、
吉川尚輝にいじられながら“愛”を語られ、「もっともっと僕のことを愛してください!」と締めくくり、ファンの爆笑を誘った。
昨年の契約更改後の記者会見では「球団へ要望したことはあるか」の質問に、「(選手)サロンの食堂に出ているメロンが硬いので、熟したヤツを」と珍要求(※後日、浜松市のヒノン農業が自信作の天使音<あまね>を球団に24玉差し入れ)。オフには「お菓子断ち」で減量に励むなど話題に事欠かない。報道陣やファンを喜ばせるのも大好きだ。
オープン戦は打率.356、3本塁打、16打点の堂々たる成績。バットを置いても人気者の“愛され四番”がチームを盛り上げる。
写真=BBM