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中日・木下拓哉 チームにもたらす活気/わがチームのムードメーカー

 

すべてはチームのため


 3月14日の試合前練習。グラウンドに姿を見せた木下拓哉に首脳陣が次々と声をかけた。与田監督が「お、1面」と呼べば、伊東ヘッドコーチも「お、ヒーロー」。前夜のロッテ戦(ナゴヤドーム)で投手強襲のサヨナラ打を放ったにもかかわらず、新聞では同点打の根尾が主役。報道でまったく取り上げられなかったことをいじったのだ。

 愛されるのには理由がある。捕手陣の練習では誰よりも大きな声を張り上げ、中村バッテリーコーチがノックでミスをすれば逆に「へい、ノッカー」とやじる。キャンプ中にはそのやりとりにファンから笑いが起きることもしばしば。本人も自覚していた。

「声が出るヤツが守っていたほうが活気につながると思うので、練習から意識して出すようにしています。コーチにはやり過ぎるとよくないけど、ヘッドや(中村)武志さんも言われるのが嫌いじゃないのは把握している。みんなが行けないような、ギリギリのところを突いています」

 最も発揮されるのが試合前の声出しだ。選手会長の京田は「とにかく面白い。12球団でも3本の指に入ると思います」と指摘。「連敗しているときとかはうまく笑いに変えてくれるので、ベンチにいてくれるだけでも助かる存在です」と感謝する。

「指名されそうなときはある程度考えて球場に行くし、いいのを考えついたときは自分から進んでやりにいっています」と木下拓。まさにムードをつくっている。

写真=BBM
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