森下暢仁は投げる度に「即戦力」としての価値を高めている。大学ナンバーワン右腕としてドラフト1位で入団。佐々岡監督、
前田健太(現ツインズ)らが背負ってきたエースナンバー「18」を託され、背番号に恥じない活躍を見せ続けている。既に開幕ローテーション入りは当確。OBらからは「2ケタは勝てる」という声が上がっている。
まさに野球センスの塊だ。大分商高時代には三番打者を任され、内野手も兼任していたこともあり、フィールディングも華麗にこなす。初めて森下の動きを見た指揮官は「本当にバランスのいいフォームで、指のかかり、回転とかいろんな面で素晴らしい。ノックの動き、軽快さ、何をしてもセンスがある。ランニングもバネをきかせたフォームだった」とゾッコンだった。
細身ながら、柔軟性の高いしなやかなフォームで最速150キロ超えの切れ味鋭い直球を繰り出す。直球を軸に、カットボール、カーブ、チェンジアップを操る。特にカーブは独特で、鋭く縦に曲がり、打者を手玉に取っている。そこに球界トップレベルの投手に匹敵するストライク率の高さも兼ね備え、大崩れすることはない。
3月8日の
西武とのオープン戦(マツダ
広島)では、球界屈指の打力を誇る山賊打線を相手に8三振を奪うなど、5回3安打無失点と好投。文句なしのローテーション入りを勝ち取った。プロを相手に登板を積み重ねてきた右腕は「真っすぐでしっかりした球を投げれば打ち損じてくれたり、ファウルを打たせることもできる。そこは自信持っていいのかなと思います」と胸を張る。2020年シーズンはカープの次世代エースに注目だ。
写真=BBM