昨季9勝を挙げた青柳だが、今季は試合の中でいかにイニング数を稼げるか。それがチームからの信頼に繋がる
通常どおり開幕していれば
青柳晃洋は間違いなく先発ローテーション入りしていた。プロ5年目という区切りの年。主力として昨季以上の結果を求められるシーズンのはずだった。
「(先発ローテを)1年やったからといって余裕があるわけではありません。一からフラットに結果が出るように頑張りたいです」
最後の実戦登板になった3月22日の練習試合の
ヤクルト戦(神宮)では4回を投げてしっかりと2安打無失点に抑え首脳陣をひと安心させていた。
プロ4年目の昨季は9勝(9敗)をマークし、初めて規定投球回に到達した。さらに上積みが期待される右腕にとっての課題は「安定感」になってくる。
ヤクルト戦の前の先発登板だった同15日
オリックスとのオープン戦(京セラドーム)では、田嶋と投げ合って6回途中8四死球4安打4失点の大乱調で調整不足が不安視される内容に矢野監督も苦言を呈した。
ただ、これまでの青柳と違うのは、自分自身を分析できるようになったことだ。それはフォーム修正にも表れており、前回の不調を引きずらなくなった。
例えば、春先は腕をさらに下げアンダースローのような投法に取り組むこともあった。「手と体が離れないように心掛けた」。制球力をつけるためだった。
また苦手である「対左打者」の対策も講じてきた。ヤクルト戦で村上をシンカーで抑えたように、これが通用すれば課題としているイニングは伸びていくはずだ。
青柳は「向上心を持って、最後まで勝負にこだわりたい」と開幕に向けて準備を進める。