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ロッテ・東妻勇輔 自慢の剛球に磨きをかけて/わがチームの速球王

 

直球を“長所”を自負する2年目右腕。今季も真っ向勝負を挑む


 172センチ、80キロの小柄な体を目いっぱい使い、最速155キロの剛速球を投げ込む。

 ロッテの大卒2年目右腕は、セットアッパー定着を狙っている。昨季は24試合の登板で3勝2敗、防御率4.71。飛躍が期待される今季は「一軍にいることは大前提。50試合以上の登板を目指したい」と意気込でいる。

 左足を上げ、テークバックに入ってからの動きは人一倍速い。マウンドに着地した左足をつっかえ棒のようにして、右腕をこれでもかというくらいに振り抜く。「制球を気にして腕が縮こまったら、僕の良さは消えてしまう」と言うように、躍動感あふれるフォームが魅力だ。

 智弁和歌山高から日体大に進み、才能が花開いた。高校時代は2014年春のセンバツに出場したが、1回戦の明徳義塾高戦で救援登板し、延長15回に一死満塁からサヨナラ暴投。甲子園の土を踏んだのはこの一度だけで、大舞台で脚光を浴びることはなかった。
 
 5学年下の弟、純平は智弁和歌山高在学中に捕手として甲子園で活躍し、ドラフト4位で今季、DeNAに入団した。1年違いで兄弟でプロ入りを果たし「すごくうれしい。僕と同じように背が低く、素質があるわけではない。プロに入ったというのは、あいつの努力だと思う」とにっこり。入団祝いで時計をプレゼントする優しさも見せた。

 オフにはソフトバンク森唯斗甲斐野央とアメリカ・グアムで自主トレーニングをともにし、「収穫だらけでした」と振り返る。オープン戦は3試合に登板し、すべて三者凡退に片づける完璧な内容だった。ジャクソンハーマンが加入して競争相手は増えたが、自慢の速球にさらに磨きをかけて、真っ正面から勝負を挑む。

写真=BBM
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