すっかり貫禄が出てきた。「読売巨人軍第89代四番」岡本和真は、23歳の若さでその座を不動のものにしている。
プロ6年目を迎えた今季は、四番に定着して3年目。自主トレ、春季キャンプと順調な調整を続け、オープン戦は打率.356(4位)、3本塁打(3位)、10打点(2位)。主砲としての存在感は強まる一方だ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕時期は依然として不透明な状況だが、岡本は「僕は何も考えません。『無』ですね。毎日できることをやっていくだけです。何も変わりませんよ」と、チームが個人調整となった現在も自らのレベルアップに集中している。
4月13日から16日には、「打撃投手のボールを打った際に、あわてて打ちにいってしまう感じがあったので」と休養日を挟んで3日連続で山なりのスローボールを打つ練習に励んだ。スイングに入る前にタメを作る感覚を養うのが目的で、1時間以上打った日もあった。
明確な意図を持って進化を図る傍ら、リーダーとしても自覚を強めている。14日には3歳上の内野手、
山本泰寛から「(バットの軌道を)体の近くを通すためにはどうしたらいいのか」と質問を受け、丁寧に意見を伝えながら20分間、一緒に打撃練習を行った。
春季キャンプでは、今年の自覚に満ちた態度を見た
原辰徳監督から「(昨年の愛称)ビッグベイビーは今年は絶対に使いません」と、代わりに指揮官自身の愛称「若大将」を授けられた。チームの“末っ子”から、頼もしき柱へ――。
期待に応えるべく、今はじっくりと心技体を磨く。
写真=読売巨人軍提供