中日の四番と言えば、今年もビシエドで決まりだろう。昨シーズンは来日4年目にして初めて143試合全試合に出場。打率・315、18本塁打、93打点という堂々たる成績を残した。今季は新型コロナウイルスの影響で、開幕が不透明な状況とはいえ、ケガなど肉体面の不安はない。
ビシエドはかねて、「打順は何番だろうと関係ない」と言い、それほど打順を気にしていない。とにかくチームが勝てばいい。そのために少しでも貢献できればいいというのがスタイルだ。類いまれなパワーで素晴らしい打球を放つが、ライナー性の当たりが持ち味でもある。本来は四番タイプではなく、「中距離タイプ」という声もある。
2月のキャンプで与田監督は聖域なき打順改革を口にした。2月13日の
DeNAとの練習試合(北谷)で三番・ビシエド、四番・阿部の打順を組んだ。そのとき、指揮官は「競争は必要になってくる。選手間の中で、何番は誰々だろうというのは捨てて、自分の意志や、もっともっと欲を持ってほしい」と口にした。四番・ビシエドは本線だが、阿部や福田にも四番を狙えと訴えた。
もちろん、チーム内競争を激化させたいという思惑もある。一方でビシエドが万が一、ケガした場合などを考えてのテストという面もある。あくまでビシエドが主軸に変わりなかった。
そんな主砲には、今オフ新たな家族が加わった。息子・ビシエドジュニア君のお願いで、黒の豆柴犬を飼うことに。関係者によると、ビシエド家みんなが富士山が好きだからという理由で、「フジ」と名付けられた。新たに家族も増え、さらなる奮起が期待される。
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