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西武・ニール チームから全幅の信頼を得る安定感抜群の助っ人右腕/開幕を待つエース

 

来日2年目で開幕投手を務める予定のニール


 開幕予定だった3月20日を1週間後に控え、「80〜85パーセントぐらいの状態」。オープニング投手は万全の状態にあった。ニールが大役を仰せつかったのは春季キャンプ最終日の前日。2月3日の初ブルペンを見た辻発彦監督は、「圧倒的に素晴らし球を投げていた」と絶賛し、結果として、その「第1球目」が指名の決め手となったと明かした。

 昨季、来日1年目で首脳陣、チームメートから全幅の信頼を勝ち取った。自身11連勝を含む12勝1敗で勝ち頭に。投球内容もチーム防御率がリーグ最低の4.35だった中、自慢のシンカーを武器に内野ゴロの山を築き、先発陣でただ1人、2点台(2.87)と抜群の安定感を誇った。バッテリーを組んだ森友哉も「悪い流れもニールが断ち切ってくれた。気迫のこもったマウンド上での姿に野手も『ニールが先発のときはいつも以上に勝たせてあげたい』という気持ちなっていたと思う」と賛辞を惜しまない。

 試合以外でもメジャーの最新トレーニング法をいち早く取り入れ、さらに自ら積極的にさまざまなコーチ、選手の下へ話を聞きに行き、球種や日本で成功するためのヒントを得るなど野球に対する姿勢は素晴らしかった。若手投手に対しても、気付いたことをアドバイスするなど、その人間性に至るまで、あらゆる要素が「助っ人」を超え、“エース”と呼ぶにふさわしい存在であるのは間違いない。

 開幕延期となったが「そのままニールでいく」。指揮官の信頼に一切の揺るぎはない。「開幕へ向けて、しっかり体づくりをして準備していくだけだよ」とニール。郷に入っては郷に従え。その向上心と芯の強さで、必ずやこの苦境下でも結果を出してくれるだろう。

写真=BBM
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