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中日・鈴木博志 ふたたびの信頼と自信を取り戻す/このままでは終われない

 


 1年前の開幕時はクローザーだった。しかし、シーズン途中にその座は剥奪された。さかのぼると、石川昂弥根尾昂の前のドラフト1位。鈴木博志投手は失地回復へ向け、強い意欲を口にする。

「自分の中でポジションというのがないですから。自分のポジションというのを勝ち取っていけたらいいなと思ってやっています」

 道のりはもちろん険しい。昨シーズン後半から守護神を務めた岡田俊哉、そして成長著しい藤嶋健人、さらには開幕時はキューバ代表の活動でチームを離れているはずだったR・マルティネス。期待を集める3人と明らかに立ち位置は違った。鈴木博は春季キャンプ二軍スタート。故障者が出たため、すぐに一軍に合流したが、この事実がスタートラインが違うことを物語っていた。

「一番は安定感が大事だと思います。まずはしっかり真っすぐを投げるというところから安定感を出していきたい」

 オープン戦でも満足いく結果を残せたとは言えなかった。プロ野球の開幕が延期されたが、その間も鈴木博は投球時に顔が下を向く悪癖の改善などに努めていた。コンディションを維持する、調整するというような一軍確定の選手ではなかった。

 ただ、オンとオフの切り替えはしっかりできていた。多くの時間を過ごす自宅ではウクレレを奏で、絵を描いたりして過ごしている。「何でも結構できるんですよね。器用なんですよね」と笑う。決して思い詰めているわけではない。しっかりとグラウンドでやることは見えている。開幕までまだ時間はある。反攻のチャンスは十分にある。

写真=BBM
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