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日本ハム・吉川光夫投手 復活なるか? 2012年のMVPサウスポー/このままでは終われない

 

吉川光夫はかつての輝きを再び取り戻すことができるか


 吉川光夫は昨季、交換トレードで巨人からプロ野球人生をスタートさせた日本ハムへと帰ってきた。2016年オフに大田らとの交換トレードで巨人へ移籍していたサウスポーは、異例の出戻りトレードで古巣へ。栗山監督も同席した入団会見では「突然のことだったので、ビックリした気持ちもあれば、また北海道でプレーできる喜びを感じました」と笑顔を見せながらも、一方で複雑な胸中を明かした。

 栗山監督は「僕が監督になったとき、吉川が頑張ってくれて優勝させてもらった。何がなんでも光夫にはいい野球人生を歩ませるんだっていうのはチームを離れてもあった」と話した。監督就任1年目にエースとして飛躍させ、チームはリーグ優勝。12年MVPにも輝いた、思い入れの深いサウスポーが伸び悩む姿は、互いに袖を通すユニフォームが変わっても気にかけ続けてきた。

 1年前、吉川は巨人で苦しい立場となっていた。中継ぎに転向し、勝利の方程式入りを期待されたが、トレードが発表された同年6月26日までに9試合に登板して0勝1敗、防御率9.95と本来の力を出せていなかったときに、2度目の転機が訪れた。吉川は「また1つずつ積み上げられたら」と心機一転を誓ったが、いばらの道の出口は遠かった。

 日本ハム復帰後は先発に再転向したが、4試合で0勝3敗、防御率6.75に終わった。オフの契約更改では減額制限を超える約4000万円減の推定年俸3500万円プラス出来高でサイン。「何も出来なくて申し訳なかった。1年でも長く野球が出来るように」と背水の陣を自覚したプロ14年目。完全復活の瞬間が来ることを信じ、現在の自主練習期間に再飛躍への力を蓄える。

写真=BBM
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