今季もチームに勝利を呼び込む投球を誓う増田
昨季、チーム内で唯一防御率1点台と、最も安定していたのが
増田達至だった。2018シーズン、プロ入り初といえるほどの不振に陥り、16年から君臨してきた守護神の座を自ら明け渡した。あらためてクローザーという立場の重要性を痛感する中、昨季は「自分に(一軍の)ポジションはない」とゼロからのリスタートを決意。そのハングリー精神が忘れかけていた必死さを生み、さらなる成長を促した。
「1試合1試合が勝負」と開幕から充実の投球内容を披露し、4月7日の
日本ハム戦(東京ドーム)からは抑えの座に返り咲くと、65試合に登板し4勝1敗30セーブ、防御率1.81の好成績。リーグ2連覇が決まった試合では、胴上げ投手にもなり、“愛妻”
森友哉とともに『最優秀バッテリー賞』受賞と、プロ入り最高ともいえるシーズンを過ごした。
当然、実力どおりの力を発揮できれば、今季もクローザーのポストは揺るがないだろう。森も、「とにかく1点でも多く取って、9回に増田さんに回せば勝てると、常に心掛けている」と心の支えにするほど全幅の信頼を寄せている。
昨季、納得の成績が残せた要因を本人は「本当に1日1日、ガムシャラにやった結果」だと振り返るだけに、同じ充実感を味わうためには「今季も1日、1試合でどれだけチームに貢献できるかの積み重ね」を最大テーマに掲げる。
19シーズン、フォークを使えるようになったことで、奪三振数も大幅に増えた。直球とともに、「その(フォークの)精度を磨いて、投球の幅を広げたい」。新型コロナウイルスによる自主練習期間で
ブラッシュアップはできたか。守護神の幕開けに注目だ。
写真=BBM