開幕スタメンはならなかったが、打てる捕手として今季、台頭が期待される
約3カ月遅れでの開幕に向けた練習試合で、自慢の強打を存分に発揮した。今季のドラフト2位ルーキー・
佐藤都志也は6月5、6日の
楽天戦(ZOZOマリン)で2試合連続アーチを含む3本塁打。「開幕一軍をずっと目標にしてきた。いいスタートができるように頑張りたい」と表情を緩めた。
当初から「打てる捕手」の呼び声は高かったが、キャンプやオープン戦は打撃に苦しんでいた。「左肩が出てしまうフォームだったのを、なるべく左肩を残して軸で打てるように。打撃フォームの改善を自分なりにやってきた」。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、チームの全体練習が自粛となったことで、自らの打撃を見直す時間ができた。
試合前の打撃練習では、中堅から逆方向への打球を強く意識する。「(東洋大の先輩である)清田さんから少し上からバットを出すイメージだとアドバイスされた」と言う。詰まったポップフライが減り、速いライナー性の打球の割合が増えた。
コロナ禍の影響を受けず、通常通りに開幕していたら、佐藤の打撃開眼はもう少し遅れていたかもしれない。
井口資仁監督は「キャンプのときと比べても、かなり良くなっている。もともと打撃が良く、広角に打てる打者。開幕スタメンという可能性も十分あると思う」と成長を認めた。
阿部慎之助(現
巨人二軍監督)や
森友哉(
西武)といった、左の強打の捕手を目標に掲げる。強肩に加えて俊足も魅力で、入団時には「捕手初のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成したい」と言ってのけた。圧巻の打棒を目の当たりにすると、決して夢物語には聞こえない。
写真=BBM