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広島・田中広輔内野手 ようやく始まる逆襲の1年/待ち焦がれた「6.19」

 


 復活をかけたシーズンがいよいよ始まる。今季から選手会長を務める田中広輔は先頭に立ち、延期期間もチームを鼓舞し続けた。度重なる延期で、休みを挟みながらも練習漬けの毎日……。約3カ月間の試練について田中広は「普段、何事もなくプレーしていたことが当たり前ではないと思った。野球ができる幸せを感じる期間になった」と振り返った。

 昨季は田中広自身にとっても、悔しさを残すシーズンとなった。不動のリードオフマンとしてリーグ3連覇を支えてきたが、昨季は開幕から調子が上がらず、6月20日のロッテ戦(マツダ広島)で先発を外れ、2015年4月1日のDeNA戦(横浜)から続いていた連続フルイニング出場が635試合でストップ。21日のオリックス戦(マツダ広島)を欠場し、連続試合出場も636試合で止まった。そして昨年8月末に「右ヒザ半月板部分切除手術」に踏み切った。

 順調にリハビリを続け、2月の春季キャンプは初日からフル回転。周囲の不安を一掃した。持ち前の安定感のあるプレーを続け、再び正遊撃手へ。順調な仕上がりをみせていた最中に、新型コロナウイルス感染拡大による開幕延期が決定した。感染防止のためチーム練習も行えず、離散集合の日々を重ね、難しい環境の中でも黙々とコンディション維持に努めてきた。

 5月下旬には実戦形式の練習が再開。久びさの投手の生きた球にもすぐさま対応した。「練習が長かった中で、しっかり自分の形で練習することができた。それが良い形に出ている」。開幕へ向けては「まずはケガしないように。最初は当面は無観客ですが、皆さんを元気づけるようなプレーをしたいです」と決意を固めた。プロ7年目、逆襲の1年がスタートする。

写真=BBM
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