今季こそ――。吉川尚輝はケガに泣いた過去2年のリベンジに燃えている。
「久々の対外試合なので、積極的にどんどんいきたい」
6月2日から始まった練習試合では、その言葉どおりにプレーした。9日には、
DeNAとの一、二軍ダブルヘッダーで計3安打。横須賀での二軍戦デーゲームで1安打をマークすると、その後、横浜スタジアムに移動して一軍のナイトゲームでも2安打を放ち、万全をアピールした。
今季は春季キャンプ、オープン戦と順調に過ごし、個人調整期間中には「追い込めるうちに追い込みたい。今の時間をムダにしたくない」と40分間の打ち込みを敢行する日もあった。昨季は開幕戦から11試合連続で「一番・二塁」で先発し、打率.390をマークしながらも腰痛で離脱。92試合に出場した一昨年も、8月1日のDeNA戦(横浜)で、一塁にヘッドスライディングした際に左手を骨折。今季はフルシーズンでの活躍を見据え、頑丈な体に仕上げてきた。
原辰徳監督は「昨年も『ケガがなければ』という部分の数字という点では、尚輝は非常に秀でたものを見せてくれた」と今季も「一番・二塁」で起用するプランを描いており、3年連続の開幕スタメンは決定的。その上で「『無事これ名馬』というのも実力のうち。そこは本人がどうクリアしていくか」と注文を付けた。
「しっかりと練習して、準備したい」と開幕を待ちわびた吉川尚。高い身体能力と野球センスは入団時から高く評価をされてきたが、まだプロで十分な結果を残したわけではない。その力を、証明する1年とすることができるか。
写真=山口高明