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DeNA・梶谷隆幸 重量クリーンアップの火付け役に/待ち焦がれた「6.19」

 

開幕戦は「一番・中堅」でスタメン出場するも無安打。リードオフマンの出塁がチームの得点力に直結する


 プロ14年目。梶谷隆幸は激しいチーム内競争を制し、昨季に続く開幕スタメンを果たした。しかしそのプロセスには大きな違いがある。新型コロナウイルスによる開幕延期で2カ月のブランクが生じても「立場上打たないと試合には出られない。結果を出してアピールしていくしかない」と再び自らに課し、練習試合の再開後も快音を続けた。そしてラミレス監督の信頼を固いものにした。

 昨季は前年8月に手術を受けた右肩のリハビリが長引き、キャンプを二軍で過ごしたままオープン戦の出場もなかった。しかし神里和毅らの不調もあって開幕3日前に一軍合流。開幕戦に「一番・中堅」でサプライズ起用された。だが、ぶっつけ本番で安定した結果が出るはずもなく開幕4戦目にはスタメン落ち。シーズン終盤に代打で存在感を発揮したものの、2018年と同じ41試合の出場に終わった。

 今年は違う。オープン戦の当初は代打に甘んじていたが、着実に成果を残して一軍に食らい付いた。神里、桑原ら外野の残り1枠を争うライバルが安定性を欠いたこともあり、オープン戦の終盤から先発に定着。パンチ力と走力を兼ね備えた一番打者として、オースティンソト佐野恵太へと続く打線の火付け役にはまった。

 再起を支えるのは、かつて弱点と言われた安定性の改善だ。打撃フォームを修正する課程で「変える度に最初はいいけど徐々におかしくなって見失ってきた」と過去の失敗を振り返る。その上で今年は「1月に『これでいく』と決めて自主トレ、キャンプ、オープン戦とやり続けてきた。それを貫く」。確かな準備期間と手応えがある。

写真=大賀章好
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