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日本ハム・中田翔内野手 新たな感覚を研ぎ澄ませて大爆発のシーズンへ/待ち焦がれた「6.19」

 

進化したバッティングでプロ13年目のシーズンに挑む中田


 覚醒の13年目のシーズンが始まろうとしている。中田翔が「6.19」に向けて、スイッチを再点火した。練習試合再開初戦の6月2日のロッテ戦(ZOZOマリン)では初回にチーム初得点となる適時打。「久しぶりに打席で相手投手の球を見たので、まだ慣れないけど、うまく振りぬくことができた。早く感覚を取り戻したい」。球団を通じたコメントには急ピッチでの調整への覚悟と緊張感を漂わせた。

 3月末から始まった自主練習期間では、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努める球団方針のもと、打撃投手やトレーナーら球団スタッフも自宅待機。中田ら選手もできることが限られる中で春季キャンプの時と同様にバットを振り込み、ウエート・トレーニングで体を追い込んだ。開幕できる日を信じて、土台を再び固める作業に邁進した。

 だが実戦から離れた期間が長かったことで、調子が良かった打撃の感覚には多少のズレが生まれたようだ。練習試合で3本塁打をマークする活躍を見せても、内容にはまだ手応えを感じていない。6月10日のヤクルト戦(神宮)での豪快な本塁打を打った後にも「自分の中ではまったく納得していない。当たったのはバットの先だったから、もっと精度を上げていきたい」と目をギラつかせた。

 それほど春先につかんだ打撃の状態に手応えがあったことの裏返しでもある。フルスイングをせず、8割程度の力感でスイングすることで確率を高めた新スタイルの感覚を再び呼び起こせるか。

「今までやっていたことを変えるつもりはない」。高みを知った分、自身で追い求める姿もレベルは高くなった。感覚を研ぎ澄ませて、待ちに待った開幕へ向かう。

写真=BBM
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