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楽天・涌井秀章 新天地で再び輝くために/本領発揮のシーズンへ

 

移籍後初勝利を挙げた涌井


 まさに貫録のある投球だった。6月24日の日本ハム戦(楽天生命パーク)に先発した涌井秀章が、7回4安打2失点の好投で移籍後初勝利を挙げた。

 中田翔のソロ本塁打などで3回までに2点を先制されるも、粘りの投球が光った。すると打線は5回に反撃を開始し、浅村栄斗の3ランで逆転。涌井はそのリードを保ったまま、後続の投手にバトンを渡した。勝利のお立ち台に上がると、「初めまして、涌井です」と画面の向こうにいる楽天ファンにあいさつした。

 金銭トレードで今季から楽天に加入した。昨季は3勝7敗に終わった通算133勝右腕が、どんな投球を見せるのか。新天地の多くのファンが注目していたはずだ。だが、その実力は疑いようもない。練習試合2戦で計7回を無失点と、しっかり調子を上げてシーズンに臨んだ。

 移籍して意識が変わったこともプラスに作用している。「今まではチームのエースとしてやってきた。楽天に来て、則本昂大がエースという立場なので、正直、肩の荷が下りた。でも、則本に勝てるようにやっていきたい。今年の1年はすごく大事になる」と闘志を燃やす。

 移籍後初勝利を見届けた三木肇監督は「いろいろ乗り越えてきた選手なので、こういうゲームでしっかり投球してくれて非常に良かった。最初にホームランを打たれましたけれども、その後にしっかり投球してくれた」と最大級の賛辞を送った。計3度も最多勝を獲得した右腕が、新天地で大きく羽ばたく。

写真=BBM
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