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巨人・戸郷翔征投手 大ブレークの予感/本領発揮のシーズンへ

 

6月23日の広島戦で先発し、今季初勝利を挙げた巨人戸郷翔征


 大ブレークする可能性を秘めているのは戸郷翔征だ。球団史において桑田真澄以来33年ぶりとなる高卒2年目での開幕ローテーションの座を自力でつかみ取った20歳右腕に、原辰徳監督は目を細める。

「やっぱり自分でつかまないとね。(桑田)真澄だって自分でつかんでいるわけだから。監督、あるいはコーチが与えたわけではない」

 6月16日、戸郷はチームの開幕前最後の練習試合となったロッテ戦(東京ドーム)に先発して5回1安打無失点。「開幕前ラストの試合なので気持ちを入れて投げました」と気迫を込めた好投で、首脳陣の期待に応えた。

 前回9日のDeNA戦(横浜)で6回5安打2失点も、指揮官は「やっぱり簡単に(ローテーション当確)ではなくてね。次の登板のチャンスは勝ち取った」とさらなるアピールに期待していた中、“最終テスト”で見事に結果を残した。

 降板後はベンチで原監督から体を大きくするためのシーズン中の食事についてアドバイスを受けた。これもシーズンを通した活躍を期待するからこそ。186センチ、78キロの肉体は、技術面同様にまだまだ伸び盛りだ。

 宮崎・聖心ウルスラ学園高からドラフト6位で入団した昨季終盤に一軍デビュー(初先発初登板)した試合は優勝に王手をかけた大一番。この試合では自身に勝ち星はつかなかったが(チームは勝利で優勝)、2度目の登板(中継ぎ)で初勝利を挙げた。今季は背番号「68」から「13」へ異例の出世を果たして臨む。

 23日の東京ドームでの広島戦に今季初先発初登板。強力打線を相手に一歩も引かず、7回途中4安打2失点と好投し、先発初勝利を挙げた。「先発で長く投げて1勝できたのはうれしかったです。緊張、プレッシャーはありましたけど、それがより力になりました」と試合後に話した戸郷だが、シーズンに向けては「自分ができることをしっかりやって、日本一に向けてやっていきたい。求められているものが高くなるのは一番うれしい」。頼もしい若武者の成長ぶりに注目だ。

写真=山口高明
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