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ヤクルト・塩見泰隆 “オープン戦男”とは言わせない/本領発揮のシーズンへ

 

レギュラー争いに食い込みたい塩見だが……


 ポジションを確固たるものにできるか。3年目の外野手・塩見泰隆は今季、外野の定位置奪取に燃えている。5月中旬にオンライン取材を受けた際には「(レギュラーを)を取るんだという気持ちで頑張っています。きれいなプレーをせずに、高校野球みたいにガムシャラにいこうと思います」と決意を明かしていた。

 昨季までチームの主砲を務め、左翼手が定位置だったバレンティンソフトバンクに移籍。今季から左翼手には主に青木宣親が就き、右翼手は実績十分の雄平で決定。坂口智隆は一塁守備もこなせるため、中堅手の筆頭候補は塩見だ。

 攻撃面でも高津ヤクルトの大事なピースになりそうだ。バレンティンの穴を埋めるべく、新指揮官は今春のキャンプから「足」を使った攻撃を実戦で試してきた。3度の盗塁王に輝いた山田哲人はもちろん、俊足の塩見が打線に加われば、攻撃のレパートリーも増えてくる。

 高津臣吾監督は「レギュラーを取ってほしいと思っている一人なので、そこは逃さないでほしい」と期待をかけた上で「昨年みたいにオープン戦で終わってほしくないね」とも漏らした。二軍では2年連続で打率3割&20盗塁をクリアするなど運動能力は折り紙付きだが、昨春のオープン戦では打率.385の好成績も、一軍公式戦では45試合で打率.182。今年のオープン戦もチームで唯一規定打席に乗せ、打率.302を残しただけに、今年こそ真価を発揮するときだ。

「僕は死に物狂いでやるしかない。『今年が最後の年』というぐらいの思いで(シーズンに)入ろうと思っている。」と塩見。6月の練習試合再開直後には、上半身のコンディション不良を訴えたが、回復。6月19日、中日との開幕戦(神宮)では、五番・中堅でスタメンにも名を連ねたが、無安打に終わった。翌20日の同戦では今季初安打となる本塁打を放ったが、その日以来快音は響いていない。現在は好調の同級生・山崎晃大朗に後れをとっている。進化の年とすると位置づけた2020年。逆襲の機会を逃すわけにはいかない。

写真=BBM
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