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DeNA・柴田竜拓 堅実な守備は球界トップクラス/守備で魅せる!

 

守備はうまくやって当たり前と見られてしまう。スタメンで出場するためには、やはり打撃だ


 柴田竜拓の堅実な守備力はすでに球界に広く知られるようになった。プロ入り後に最も出番の多い二塁だけでなく、遊撃や三塁も守っていても球際の強さや正確な送球が陰ることはない。球界ナンバーワン遊撃手の呼び声が高い西武源田壮亮でさえ、柴田のプレー動画を参考にしていると公言するほどだ。ラミレス監督が極端な打力重視のラインナップを組むことが多い中、ここ2年間はおもにゲーム終盤の守備固め役として重宝されてきた。

 その柴田が「守備職人」からの脱皮を予感させている。昨季は打率.256だったが、月間別で見ると8月は.395、9-10月も.355のハイアベレージを残している。当時は「自分の中で決断した、明確に変えた部分がある」と中身を語らなかったが、尊敬する筒香嘉智を模倣してきた逆方向への意識に自分なりのアレンジを加えたと後に明かしている。

 今季も春先から一皮むけた打撃を見せ続け、開幕前の巨人との練習試合(6月11日、東京ドーム)では代打で初球を振り抜いての本塁打を記録。「今までにない感覚」と手応えを示した。シーズン開幕後も13試合で5度スタメンの座を与えられている。

 もちろん本人は守備固めにとどまる気などさらさらない。昨オフの契約更改。筒香がメジャー・リーグに移籍することに触れ「挑戦することの大切さを筒香さんから学んだ。中心選手が抜けて、自覚が出るのは当たり前。僕自身も中心にいなければいけない」とレギュラー奪取へ目をぎらつかせた。

 ソトが二塁を守る現状では、遊撃で大和との一騎打ちか。まずは相手チームが左腕先発時のスタメン起用が指標となる。
写真=榎本郁也
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