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ロッテ・中村奨吾 六番に座って“にらみ”を利かす/下位打線で光る

 

長打あり、軽打ありと多彩に役割を果たす中村奨吾が打線をつなげている


 チャンスメーカーからポイントゲッターまで、自在に役割をこなしている。中村奨吾は今季、六番に座りって「恐怖の下位打線」を形成。「バントのサインもあるし、つなぐ役割がある。チャンスの場面では『自分がかえすぞ』という気持ち」と日々の心掛けを語った。
 
 プロの技を見せた打席があった。6月23日のオリックス戦(ZOZOマリン)。4対5の9回無死二塁で、2ボール2ストライクから、ディクソンが内角低めに投じたナックルカーブを巧みに右打ちし、進塁打で一死三塁をつくった。続く井上晴哉が同点の適時打を放ち、荻野貴司の押し出し死球でチームは逆転サヨナラ勝ち。失敗が許されない場面で、つなぎ役を全うした。

 翌々日の25日の同戦には、初回にプロ6年目で初となる満塁本塁打をマークし、試合の流れを引き寄せた。制球に苦しむ相手先発のルーキー・村西良太の失投を逃さず「相手が不安定だったので、早い回に点が取れて良かった。自分のスイングができるところは増えている」と手応えを口にした。

 開幕前の6月13日の西武との練習試合(メットライフ)、開幕カードの21日のソフトバンク戦(PayPayドーム)と、わずか9日間で2度も頭部に死球を受けた。打撃に影響が出かねないところだが、内角球を恐れるそぶりはない。

「そういうときこそ、踏み込んでいかないといけないという思いはある。相手にも情報は入っているから」と事もなげに言う。

 井口資仁監督は「バントもできるし、長打も打てる。しっかりと役割を果たしてくれている」と評価する。2年連続で全試合に出場しており、押しも押されもせぬチームリーダーだ。開幕ダッシュに成功したチームを、さらにけん引していく。

写真=BBM
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