メジャーで輝きを放った華麗な守備を、日本でも魅せる。今季から加入した正遊撃手候補のエスコバー(前ホワイトソックス傘下3A)。申し分ない実績で、高津
ヤクルトが浮上するための起爆剤として期待されている。
ベネズエラ出身の33歳で、広い守備範囲と高い守備力、強肩の持ち主。メジャー・リーグ通算1437試合に出場し、ロイヤルズ時代の2015年には自身初のゴールドグラブ賞も受賞したメジャーでも屈指の名手だ。通算1367安打を放つなど打撃でも高い能力を持っている。
来日時には「全力でプレーすることはもちろん。チームの勝利に貢献すること、その中でゴールデン・グラブ賞も目標の一つだよ」と日本でも名手の称号を狙うことを誓った。外国人の遊撃手でゴールデン・グラブ賞を受賞したのは、両リーグ合わせても1972年のバート(
中日、当時はダイヤモンドグラブ賞)だけで、受賞すれば48年ぶり。「送球と足のステップを重要視している」という新助っ人が、快挙達成に挑む。
高いポテンシャルは、首脳陣も認めている。
森岡良介内野守備走塁コーチは沖縄・浦添キャンプで「捕る瞬間のさばき方がうまい。言い方は難しいですけど、軽く捕っているように見える中でも堅実な感じに見える。対応力もあると思う」と評価。さらに「ずっと期待されている西浦(直亨)や廣岡(大志)が目の色を変えていく効果もある」と相乗効果にも期待した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で自主練習となっていた期間には「明るく前向きに捉えようと考えているよ」と下を向かず、異国の地で黙々と汗を流した。いよいよ開幕した新シーズン。どんな守備を披露するのか、注目だ。
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