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西武・ギャレット 不安払拭! 奪三振能力の高いセットアッパー/スタートダッシュに成功

 

首脳陣からの信頼も高いギャレット


 新外国人選手を獲得した際、それがたとえどんな実績の持ち主であろうと、「外国人選手ばかりは、実際にやってみないと、戦力として本当に使えるかどうかは分からない」と考えられるのが普通だ。だが、リード・ギャレットは、そんな首脳陣の不安をあっという間に払拭してみせた。それどころか、今や称賛の声が後を絶たない。

 最大の武器とされる188センチの長身から投げ下ろす最速158キロの直球は威力抜群。加えて、ナックルカーブ、ツーシームなど、変化球も多彩な上、キレが良い。そして、何と言ってもその制球力だ。昨季までのアメリカでの成績から、四球率の高さが懸念されていた。160キロ近い直球があれば、それを軸に十分勝負できるところを、複数種の変化球を操れることが、逆にブレを生じさせているのではないかとの声もあった。だが、いざ開幕してみると、直球も変化球もしっかりとコントロールされ、次々と相手打者を翻弄。瞬く間にセットアッパーの座に君臨した。

 最大の魅力は三振が取れることだ。象徴的だったのが7月2日のオリックス戦(メットライフ)。2点リードの8回表にマウンドに上がるも、いきなり2連打を浴び、無死二、三塁のピンチを作ったが、そこから2者連続三振を奪い、最後は遊飛に抑えて無失点で切り抜けた。西武の守備陣は堅守で定評があるが、ピンチの場面では重圧がかかるのは当然のこと。ましてや、試合の勝敗に大きく関わる終盤に、走者が出てもきっちりと自分の力で三振を奪えるリリーフが加わったことは、非常に大きい。

「監督、コーチが自分を信頼してくれているので、しっかりそれに応えたい」

 7月20日現在、12試合に登板して2勝7ホールド、防御率0.73。そして、奪三振率は10.95を誇る、まさに“助っ人”。早くもチームになくてはならない存在になっている。

写真=BBM
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