エース・千賀の復帰はチームにとって大きな影響を及ぼした
ファンの願いを叶えるべく、誰もが待ちわびたエースが帰ってきた。それも抜群のインパクトとともに。7月7日、七夕の
楽天戦(PayPayドーム)。右前腕部の張りなどで出遅れていた
千賀滉大が今季初先発に挑んだ。初回、先頭・
茂木栄五郎の4球目には昨季の開幕戦で出した自己最速に並ぶ161キロをマーク。無観客の静かな本拠地で全快をアピールした。5回3失点と決して満足のいく結果ではないが、価値ある白星をつかんだ。「野手、中継ぎの方のおかげ。週の頭で5回で終わっているようじゃ、いきなり来て足を引っ張っているようなもの」。背負うものが大きいからこそ、自己採点も厳しい。
年明け早々から歯車が狂った。1月の自主トレ中に右ふくらはぎの張りを感じ、2月のキャンプでは右前腕部の違和感を訴え、ノースローも続いた。当初開幕予定の3月20日ではマウンドに立てる状態ではなかったが、開幕の延期がプラスにも働いた。「見つめ直すものがあった。今までの千賀とは変わったぞ、違うぞと思われるような期間にしたい」。自主練習期間に少しずつ状態を上げ、6月7日の二軍練習試合で戦列に戻ってきた。
復帰した以上は、開幕投手を務めた
東浜巨と両輪の活躍が求められる。今季は8月下旬まで同一カード6連戦の変則日程でカード頭の重要性は増している。7月14日の
オリックス戦(京セラドーム)でも6回2失点で2連勝。「週の頭でしっかり投げられるように」と責任を感じている。本来ならシーズン中盤だったところが、開幕まもなくして復帰した。七夕に帰ってきたエースが3年ぶりのリーグ優勝に導く。
写真=湯浅芳昭