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DeNA・坂本裕哉 成長した姿で表舞台に帰ってくる/離脱者たちの現状

 

初勝利を飾ったデビュー戦で右足首をねん挫。現在はファームでリハビリ中だ


 無念のリタイアだった。「腫れがあって、思うように投げられない。二軍でしっかり治療してもらう」。6月26日。試合前の練習に姿を見せなかった坂本裕哉について、ラミレス監督が出場選手登録を抹消することを決めた。アクシデントがあったのは前日のこと。25日の中日戦(横浜)だった。6回二死一、二塁で暴投。本塁へベースカバーに入った際、右足首をねん挫した。治療後も続投し、6回1安打無失点でプロ初登板初先発初勝利。球団の大卒左腕では初となる快挙を成し遂げたが、一軍から姿を消すことになった。

 まだイースタン・リーグ(7月24日現在)でも登板しておらず、患部の回復を優先している様子。復帰を待ち遠しく思うほど、ルーキーの存在は大きくなっている。最速151キロの即戦力サウスポーとして昨年のドラフト2位で入団。立命大の先輩には18年の新人王・東克樹がいた。背番号「20」と期待を背負い「1年間、先発ローテーションを守り抜きたい」と決意表明。新型コロナウイルスによる開幕延期で状態を落とすこともあったが、6月の練習試合を経て先発枠を勝ち取った。

 直球、カットボール、カーブ、スライダー、チェンジアップと持ち球は多彩。闘争心の強さも特長の一つだ。「もし失点しても、次の1点を与えないようにしよう。自分の球を投げられればいいよ」。中日戦の登板前。新人の緊張を感じ取った女房役・戸柱恭孝の助言に「0がいいです。抑えたいです」と強気に返答し、有言実行の快投を演じた。今永昇太石田健大濱口遥大、東、そして坂本と、DeNAの看板でもある左腕王国をさらに強固にしそうなニューフェイス。ひと皮もふた皮もむけた姿で、表舞台へ帰ってくる。

写真=榎本郁也
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