復帰は間もなくか
扇の要の復帰が待たれる。正捕手の
中村悠平は7月15日現在も、ファームでリハビリを続けている。待ちに待った開幕日の6月19日。試合前練習でアクシデントは起こった。
高津臣吾監督は「試合前練習で上半身を痛めてしまって、スタメンから外した」と厳しい表情で説明。同20日に出場選手登録を外れ、離脱が続いている。
今季はプロ12年目で、開幕直前には節目となる30歳の誕生日を迎えた中村。リーグ優勝を果たした2015年以降は5年連続で100試合以上にマスクをかぶり、燕の正捕手としてチームを支えてきた。開幕前には「野球が開幕したときには、みんなで喜びを分かち合えたり爆発させたりできるように」と熱い思いを口にしていただけに、本人も悔しさを胸に日々過ごしているはず。強肩もさることながら、しぶとい打撃でも勝利に貢献。18年からは選手会長に就任し、中心選手として先頭に立って引っ張ってきた。
5年ぶりのV奪回へ、カギを握るのが投手陣の再建。高津監督も「ピッチャーを立て直すことが勝つための第一条件だと思う」と口にしており、至上命題となっている。だからこそ、投手陣の性格や特徴をよく知り、コミュニケーションを取り続けてきた中村の存在は必要不可欠だ。
チームでは、
楽天から加入したベテラン捕手の
嶋基宏が「右足舟状(しゅうじょう)骨の骨折」と診断され、7月12日に出場選手登録を抹消された。現在は28歳の
西田明央や
井野卓らで正捕手不在の現状を乗り越えようとしている。
高津監督は嶋の離脱に際し、中村の復帰について「もうちょっとかかるみたいです」と説明。背番号「52」の帰還を、みんなが待っている。
写真=BBM