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広島・大瀬良大地投手 開幕戦の投打にわたる活躍/序盤戦ベストゲーム

 


 まさにエースとして大役を果たした。5対1で勝利した6月19日、DeNAとの開幕戦(横浜)での大瀬良大地だ。2年連続の開幕投手を託され、9回4安打1失点の完投勝利。開幕が約3カ月遅れたコンディション調整が難しい中でもしっかり照準を合わせ、チームに好スタートをもたらした。

 九番打者としても躍動した。2回にロペスにいきなり左越えの先制ソロを浴びたが、5回一死三塁から今永の初球をセンター前にはじき返す同点打で自ら招いた失点を帳消しに。その後、西川が右翼線への勝ち越しの適時二塁打で逆転に成功した。圧巻だったのは9回の攻撃。大瀬良は二死一塁からの打席で、国吉から勝利を決定づける右越えの2ラン。プロ7年目での初本塁打だ。

 大瀬良は今季2戦目に先発した6月26日、中日戦(ナゴヤドーム)でも9回1失点の完投で2勝目。開幕投手が開幕戦から2試合連続完投勝利は、プロ野球12球団では98年に日本ハム岩本勉が達成して以来22年ぶり。球団では84年に開幕戦から3試合連続完投勝利した北別府学以来、36年ぶりの快挙となった。

 V奪還を目指すチームにとって、序盤戦は苦しい展開が続いている。7月14日からは本拠地マツダ広島で有観客試合が始まった。チームは6連戦で結果的に1勝4敗1分けと大きく負け越した。唯一の勝利をもたらしたのも大瀬良だった。現状、先発、中継ぎとも不安定な内容の試合が続いている。その中でも先発として登板毎試合で長いイニングを投げ、チームに流れを呼び込もうと奮闘を続けている。開幕戦で勝つか負けるかでは状況は大きく変わっていたかもしれない。そういう意味でも開幕白星は大きな1勝だった。

写真=BBM
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