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広島・長野久義外野手 今季は7月から上向き手応え十分/夏男の季節

 


 広島の「夏男」といえばこの選手だろう。長野久義だ。開幕2戦目の6月20日DeNA戦(横浜)に代打で出場。1点を追う8回二死一、二塁から左中間を破る2点適時二塁打を放った。今季初打席が開幕2連勝につなぐ決勝打となった。しかし6月は5打席に立ちヒットはこの1本のみ。通年より開幕が約3カ月遅れた中ではあったが、スロースターターぶりを予感させた。

 しかし暑さが増した7月に入ると、ジワリジワリと状態を上げてきた。今季初のスタメン出場を果たした7月2日のヤクルト戦(神宮)では3回無死二、三塁のチャンスで迎えた第2打席で左翼への2点適時二塁打を放つと、先発機会が徐々に増え、8月4日のヤクルト戦(神宮)では起死回生の同点3ラン。8月4日時点で打率.333と“夏男”ぶりを発揮してきた。

 2018年まで在籍していた巨人でもスロースターターと言われてきた。昨季は6月末までで打率.208とふるわず、7月から8月上旬にかけて二軍での調整を余儀なくされた。しかし一軍再昇格後は8月の月間打率は.286、9月は.313と夏場に本領を発揮した。

 広島1年目、プロ10年目の昨季は、プロ入り後最少の72試合の出場にとどまり、打率.250、5本塁打、 20 打点といずれも自己ワーストだった。昨年の契約更改時には「チームが勝てなかったことが一番悔しかった。自分の成績もよくなかったので、申し訳ないです」と話していた。昨オフには海外フリーエージェント(FA)権を行使せず残留を決断した。「このチームで優勝したい。カープファンの皆さんにカッコいい姿を見せたい」。暑さが増す8月から9月にかけての長野の快進撃がチームを下位から浮上させるカギを握っているといっても過言ではない。

写真=BBM
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