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ヤクルト・小川泰弘 闘志を燃やす右のエース/夏男の季節

 

開幕から先発ローテーションを守り続けている


 右のエースに大きな期待がかかる。チームは8月7日現在で首位・巨人と5ゲーム差の3位につけているが、同日時点でのチーム防御率4.64は12球団ワースト。先発に限れば同5.39で、イニング別失点では初回の失点が最も多い。高津臣吾監督も「しっかり立ち上がって、ゲームを作っていくという作業をできるようにならないと、チーム全体として苦しくなっていく」と口にするなど、先発陣の奮起が首位浮上に向けたカギだ。

 そんな中、先頭に立つべき男が、小川泰弘だ。開幕から7試合に先発し、4勝1敗でチームの勝ち頭。防御率は3.71と、安定感を見せている。7月18日の広島戦(マツダ広島)では6回2失点と粘りの投球で、チームの3連敗を阻止。「昨年の悔しい気持ちがありますし、連敗を必ず止めないといけないので、『絶対に今日は勝つ』という気持ちでマウンドに上がりました」。最下位に沈んだ昨季、自身もキャリアワーストの5勝(12敗)にとどまるなど悔しさがあふれただけに、今季に懸ける思いは強い。

 責任感も増している。開幕投手を務めた石川雅規が、7月15日に上半身のコンディション不良のため出場選手登録を抹消された。オフの自主トレーニングに同行した大先輩のまさかの離脱。「石川さんが柱の一人ですし、僕もそういう役割があると思うので果たすべき役割は大きいと思う。責任感は強く持ってやっていきたい」。スアレスイノーアら助っ人勢も再調整で降格する中、決意を胸にマウンドに上がっている。

 2016年8月と18年6月に月間MVPに輝くなど、夏場に力を発揮してきた小川。先発陣が危機的状況の今こそ、さらなる活躍でチームを救ってほしい。

写真=BBM
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