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中日・祖父江大輔投手 33歳になっても不動心を貫く/中継ぎ投手の戦い

 


 その存在の大きさを再確認させる敗戦だった。7月26日の阪神戦(ナゴヤドーム)。1点リードの7回から継投に入った中日のブルペンに、いつも準備しているはずの祖父江大輔の姿はなかった。

「ちょっとまめができて、急きょ使えなくなった」。与田監督が明かした想定外のアクシデント。勝ちパターンの一角を欠いたチームはもろかった。

 迎えた8回、連投でイニングをまたいだ福が二死までこぎつけながら、福留に同点打を許す。打席には対左腕の打率が3割5分を超える梅野。ベンチが送った左のゴンサレスが勝ち越し打を浴びるのは必然でもあった。失策も絡んでこの回5失点。直近の4試合では3度目となる終盤の継投失敗で、両リーグ最速の20敗目を喫した。

 岡田の不調で、開幕当初はセットアッパーを務めていたR・マルティネスが抑えに回った。代わってセットアッパーを担うようになったのが祖父江。左の福とともに大車輪の働きをしてきた。幸い「まめ」は大事には至らず、2日後の広島戦(マツダ広島)で復帰。48試合を終えた8月13日時点で20試合に登板し、リーグ2位の11ホールドをマークする。

 入団から6年連続で30試合以上に登板。勝っていようが、負けていようが姿勢は変わらない。「任されたところで精いっぱい頑張るだけです」「チャンスをいただいた場所で精いっぱいやるだけです」「言われたところでマウンドに上がって精いっぱい頑張るだけです」。登板後のコメントにもブレはない。

 8月11日には33歳を迎えた。ベテランの域にも差しかかっても献身を貫く姿は若手の手本でもある。精神的な柱としてもブルペンを支えている。

写真=BBM
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