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日本ハム・宮西尚生投手 前人未到の350ホールドへ!ブルペンを支える北の鉄腕/中継ぎ投手の戦い

 

700試合登板も達成した宮西。投げるレジェンドがブルペンをけん引する


 ブルペンを支え続ける鉄腕が、また節目を刻んだ。7月29日のオリックス戦(札幌ドーム)。2点リードの8回からマウンドに上がったのは宮西尚生。1イニングを無失点に封じ、これが通算700試合登板となった。

「700回もマウンドに立てたことは誇りに思います」

80年以上のプロ野球の歴史の中で、17人しか到達していない高みに宮西が足を踏み入れた。

 今シーズンでプロ13年目。ルーキーイヤーから中継ぎ一筋で、担う役割はセットアッパー。勝負の行方を左右する最も精神的、肉体的にタフな仕事場を全うし続けてきた。「抑えた試合もあれば、打たれた試合もある。それこそ若いころは一死も取れずに……っていう試合もありました。その積み重ねで700まで来られたのは、本当にいろいろな経験をさせてもらった監督、コーチに感謝の気持ちが強いです」。

 1年目からシーズン50試合以上登板を12年連続で続けている。故障がないわけではない。2015年オフ、18年オフと2度にわたって左ヒジを手術した。過去のシーズン中も表には出ないコンディション不良もありながら、マウンドでは弱みを見せずに打者を抑えてきた。メンタルの強さ、投球術、対応力。そして、胸に秘める「もっとリリーフの価値を世に知らしめたい。現代の野球は中継ぎがあってこそだと思っていますから」という使命感も原動力だ。

 チームにとってブルペン陣はシーズンを勝ち切るの「命綱」。栗山監督は言う。「自分が監督をやっている間は中継ぎのチームなので」。12年の監督就任時からチームを支える宮西の存在なくして、そうは言い切れない。鉄腕サウスポーの背中を見て、後進も育つ好循環が継続的に強固な中継ぎ陣を維持できる源でもある。

写真=BBM
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