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西武・森脇亮介 状況を問わず試合を“締める”安定感ある投球/中継ぎ投手の戦い

 

中継ぎで安定した投球を続ける森脇


 平井克典平良海馬ギャレット増田達至らがいる今季の西武のリリーフ陣の中で、いぶし銀の働きを見せているのが森脇亮介だ。勝利パターンの一角には入らないながらも開幕から安定感抜群の投球を披露し続け、日ごとに首脳陣の信頼を勝ち得ている。

 ビハインドや大差のついたリードの場面でマウンドに上がることが多いが、いずれもただの“1枚”としての起用では決してない。西武は、今季ここまで自慢の猛打がつながりを欠き苦戦が続いていた。だが、歯車さえ噛み合えば、多少の点差はひっくり返せるのだけの戦力が整っているだけに、いくらビハインドであろうと、それ以上点差を広げず、逆に、三者凡退など、テンポの良い締まった投球で相手のリズムを絶ち、チームに流れを持ってくることで、逆転機を生み出せる可能性は十分ある。

 また、逆に、いくら大量リードを奪っていようが、後続投手が四死球の連続や精彩を欠いた投球などで失点を重ね、守備時間が長くなってしまうと、せっかくの勝利も後味悪いものになり、翌日の流れにも左右しかねない。そうした最終結果の数字だけではない、チームに与える非常に繊細な影響、ゲームの“締まり”の部分で、背番号「28」の貢献度はとてつもなく大きい。

 8月18日現在、18試合に登板して勝敗、ホールド、セーブはゼロながら、防御俐1.50。非常事態宣言下の自主練習期間中、増田から「投げるときの姿勢や意識などいろいろ聞いて、参考になりました」。春季キャンプでは西口文也豊田清両投手コーチの指導により、「リリースで力が入れられるようになった」。学びの一つひとつを着実に身につけられていることも、好結果の一因だろう。

 昨季、優勝争いの大事な時期に戦力になれなかった悔しさは忘れない。シーズン通しての貢献を胸に期して、これからも腕を振り続ける。

写真=BBM
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