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広島・塹江敦哉投手 勝ちパターンに入った快速球左腕/中継ぎ投手の戦い

 


 背番号36が新生佐々岡カープの中でひときわ存在感を見せている。プロ6年目の塹江敦哉だ。最速150キロ超えの威力抜群の直球と、鋭く曲がるスライダーを武器に、頭角を現してきた。今季ここまで勝ちパターンでの起用が目立つ。

 ピンチを脱し、チームを逆転勝利に導いた。8月4日のヤクルト戦(神宮)。3点を追う7回に三番・長野が起死回生の右越え同点3ランを放った直後の裏、この回から登板した薮田が二死一、二塁とピンチを招いたところで塹江にスイッチ。暴投で走者それぞれに進塁を許し、村上相手に3ボールから申告敬遠。二死満塁で打席に山崎を迎え、真っ向勝負で挑んだ。フルカウントからの7球目、内角へのこん身の150キロ直球で空振り三振を奪い、捕手・坂倉と力強くガッツポーズ。流れを呼び込み、8回の田中広の中越え3ランで逆転勝ち。プロ2勝目を手にした。

「抑えればいい流れがくると思って入った。(満塁で)割り切ってゾーンで勝負しようと思った」

 翌5日の同カードでも、8回無死一、二塁からリリーフ。無死満塁の場面を招いたが、無失点で切り抜けた。

 香川・高松北高から2015年ドラフト3位で入団した。16年に一軍デビューを飾り、3試合に登板。しかしその後2年間は一軍の舞台から遠ざかった。昨季は3年ぶりに一軍戦に出場。主に中継ぎとして11試合に登板し防御率は6.10だった。今季はキャンプからアピールを続け、プロ初の開幕 一軍を勝ち取った。8月11日現在で既に自己最多の19試合に登板。まだまだ試合数は残っているが、遅咲きのブレークの予感だ。

 経験値を高めていくのはこれからだ。勝ちパターンを中心に、ビハインドや同点の場面でも起用されるなど、多様な場面に登板している。若手左腕が今季、チーム浮上のカギを握る存在となりそうだ。

写真=BBM
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