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日本ハム・有原航平投手 昨季の最多勝右腕に何が……悩めるエースの復活なるか/エースたちの現状

 

エースとしては期待に応えられない序盤戦となった有原


 昨季のパ・リーグ最多勝投手が苦しんでいる。有原航平は8月8日の西武戦(札幌ドーム)で先発マウンドに上がるも、5回9安打6失点と大炎上。「話にならないです」と自らの投球内容を斬って捨てた。打線の奮起で黒星は免れ、チームは逆転勝利を挙げたことで救われたが、この時点で8試合に先発して1勝5敗、防御率4.82。本来、開幕前に期待されていた数字とはかけ離れた状況が続いている。

 今季は自身2度目となる開幕投手を務めた。コロナ禍による開幕延期を受けても、2月のキャンプで指名した栗山監督の気持ちはまったく揺るがなかった。「有原航平が優勝させてくれると信じていくだけ」と指揮官の思いに応えるため難しい調整の中、抜群の仕上がりで開幕戦に臨んだ。

 2連覇中の西武打線を相手に6月19日(メットライフ)の初陣の立ち上がりはテンポ、制球、球威のすべてが極上の出来だった。それでも試合は4回に打ち取った打球が内野安打になる不運や、打線も沈黙したことで黒星スタートも悲観するような内容ではなかった。ただ、振り返ってみればこれが負のスパイラルの入り口。毎週金曜日にマウンドに上がり続けて開幕から3連敗。4試合目となった7月10日のオリックス戦(京セラドーム)では7回無失点と好投したが、チームは痛恨の逆転サヨナラ負けを喫した。

 その後は7月17日のロッテ戦(札幌ドーム)で6回2失点でようやく今季初勝利。だが1週間後の24日のソフトバンク戦(PayPayドーム)は完投するも8回4失点で敗戦。チームは底を脱して上位戦線に浮上。あとは……悩めるエースが完全復活して白星が付き始めれば、日本ハムの本当の逆襲が始まるはずだ。

写真=BBM
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