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楽天・涌井秀章 新球「こやシン」で負けなしの快進撃/エースたちの現状

 

今後もチームをけん引していく


 8月5日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)9回一死。涌井秀章が代打・川島にこの日唯一の安打となる中前打を浴びた。あと2人に迫っていた球団初のノーヒットノーランは夢と消えた。

 自身初の快挙を逃したが、表情一つ変えなかった。ここからがまた、圧巻だった。続く今宮は3球で空振り三振。最後の打者となった柳田には3球目と5球目に最速149キロを計測。最後はスライダーで空振り三振に仕留めた。「川島さんが打席を外したので嫌な予感がした。ボール自体はバットも折れていたし、押し込めていたと思うので悔いはない。0で終われたのが一番大事なこと」と振り返った。

 開幕から自身初となる無傷の6連勝を今季初完封で飾った。快投の一助となっているのが「こやシン」だ。2月のキャンプ中、小山伸一郎投手コーチに握りを教わって新球シンカーを習得。今までもシンカーに挑戦したことはあったが、ものにできず。「小山さんの握りが自分に合っていた」と明かす。

 敬意を込めて自ら命名した「こやシン」は130キロ台で、左打者の外角へ揺れ落ちる。右打者の内角に食い込む、やっかいな球だ。この新球で投球の幅がさらに広がった。「ストレートとそこまで変わらないスピードで打者に食い込んでいく。打者も狙いを絞ることはなかなかできない。だから難しいと思う」と手応えを感じている。

 三木監督も「本当に頼れる投手。練習に対する姿勢や、若手も見て学ぶ部分が多い」と絶賛する。昨季はわずか3勝。今季はその「何倍返し」になるのか。精密機械のような制球力を武器に、34歳が快進撃を続けていく。

写真=BBM
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