15年ぶりとなるリーグ優勝へ向け、田村龍弘が攻守でナインを鼓舞していく
この男が調子を取り戻してから、チームは再び上昇気流に乗ってきた。田村龍弘は1学年上の
柿沼友哉との競争に勝ち、正捕手の座を奪い返した。
昨季まで5年連続で100試合以上に出場している26歳は「試合に出るため、必死に頑張っている。出たところで結果を出すことが大事だと思っている」とガムシャラさを前面に押し出す。
6月上旬に腰を痛めて、何とか6月19日の開幕戦(対
ソフトバンク、PayPayドーム)に間に合わせた。開幕2戦目からの8連勝にも貢献したが、その後は先発マスクで勝てない試合が続く。
石川歩、
美馬学の両ベテランの先発時以外は、ベンチスタートというケースが3週間もあった。
転機となったのは7月31日の
楽天戦(ZOZOマリン)だ。開幕から6戦白星がなかった不調の石川とコンビを組み、6回2失点で今季初勝利をもたらすと、自身も
則本昂大から2本の適時打で3打点。攻守できっちりと成果を出し「今年は守備も打撃も全然ダメ。本当に必死です」と正直な胸中を明かした。
8月13、14日の
日本ハム戦(ZOZOマリン)では、プロ8年目で初めてとなる2試合連続本塁打をマークし、首脳陣の信頼を回復した。好調の要因について「規則正しい生活です。毎朝、掃除をしてから球場に来ていることですかね」と饒舌も復活。
井口資仁監督は「調子がいいというか、これが普通だと思っている」とさらなる活躍を期待している。
夏場に本拠地で行われた主催試合では、何度も殊勲打を放ってヒーローインタビューに登場した。「みんながいい場面で回してくれて、そこでヒットが出ている。僕一人ではできないこと」と周囲への感謝を口にする。
雌伏の時を経て、一回りも二回りも大きくなった。
写真=BBM